2007年の更新記録


1月9日−2007年度の学部講義シラバスを掲載。今年度からシラバス用のファイルを利用する形に。年末年始は、結局仕事に追われてました。
1月10日−業績予定の修正。一番先に終わってないといけない仕事がまだ手つかずという、非常に困った状態です。
1月25日−国際政治学の試験問題、および試験に関する解説と講評(後者は学内からのみ閲覧可能)を公開。「国際政治学」という科目を法律や経済の科目に比べて簡単であると考えているのか、それとも全体にきちんと勉強しないという層が増えているのか、基礎的な問題ができていないために半数以上を不合格とせざるをえませんでした。西南は上位層の質はこちらが驚くほど高いのですが、どうやら今はこの上位層と、やる気のない下位層の差が、どんどん大きくなっているような気がします。
1月30日−EU文献リストに追加。および表紙のスタイルを少しだけ変更。
2月15日−履歴と業績リストの微修正。「一定期間での(数値)目標が設定され、その目標が達成されなかった場合には改善を求められたり、責任を問われたりする」などというのは、社会主義期の話だと思っていたのですが、どうやらそうでもないようです。それにしても、大学にとって学生さんは重要な顧客だとは思いますが、そのことが自動的に彼らの意向を受け入れるということにつながるわけではないと思うのですが…
3月15日−業績リスト、およびEU文献リストに追加。2週間ほどポーランドにいましたが、現在はズウォチ高(少し前まで25円から30円程度だったズウォチが、現在はだいたい40円します。1ユーロ=4ズウォチ弱というレートは大きく変化していないので、ひとえにユーロ高が作用しているのですが)のため、物価が高くなったような錯覚に陥ります。基本的にはワルシャワは相変わらず活気があり、しばらく工事していた駅前のショッピングモールも完成していましたが、そのことが地方(特に国境地域)との格差をかえってきわだたせている印象があります。なお昨年来拡張工事の続いている空港については、基本的に現時点では到着で第2ターミナルが利用されています。こちらが完全に利用されるようになれば、空間的にもゆったりしたターミナルになると思われます(が、完成予定は去年の記述よりさらに遅れていて、完全開業は今年11月の予定とか。今度は本当に間に合うのでしょうか…)。
4月2日−2007年度版比較政治学のページを開設(西南学院大学内からのみ接続可能です)、およびブックマークに伊藤研究室へのリンクを追加。とうとう新学期がはじまってしまいました…
4月10日−「ポーランドとEU」のページに科研初年度の成果概略を掲載。他細かいところでいろいろと修正。3月末にNHK-BS「きょうの世界」で少しだけ話をする機会があったのですが、これまでのところ事前に出演を知っていた方以外の反響はほぼゼロという状態です。こういう番組はあまり、一般受けはしないのでしょうか…
4月28日−地方政治・地域間協力のページに、独ポ国境のグビン・グベンの写真を掲載。かつては化学工業や被服関連を中心とした産業があり、地域の経済の中心地であったようですが、現在では経済的には厳しい状況にあるようです。ただフランクフルト・オーダー周辺と比べて、人々の表情や雰囲気はこちらの方が格段によいという印象を受けましたが。ちなみにドイツ側グベンからは、以前はポーランドに向かう旅客列車も出ていたようですが、現在はここから鉄道で国境を越えることはできないようです。
7月2日−EU文献リスト追加、および業績目録などこまごまと修正。いろいろとここで書くネタはあるのですが、肝心の更新をしてないのでそのままになっている感じです。なお今回から、試験的にアクセス解析を利用してみることにしました。とりあえず現在は、広告のない「なかのひと」を利用させていただいています。
7月19日−比較政治学の試験問題を掲載。「点検評価」が現在の大学では必須とされているようですが、結局のところ毎回「問題点を見つけてその改善を行う」ということをすることになると、永続的に点検評価をし続けなければならないということになる気がします。またこれに伴い本来の研究や教育が犠牲になるというのも、納得のいかないところですし。一般企業にも同様の「点検評価」を求めるとしたら、世間の人々はどういう反応をするのでしょうか。
9月13日−今回は大学のネットワークシステムの移行に伴う不具合のチェックのため、とりあえず表紙とこのページのみを更新。役職(2度目の学科主任)に伴う仕事が増えたことや、2週間ほどポーランドなどに出ていたこともあって中身の更新は遅れていますが、近日中に改訂を行う予定です。それにしても、自分で日に数回カウンターをあげてしまっているにしても、1年で6000を超えるとは思ってませんでした。実際それなりに、いろいろなところからのアクセスもあるようですし。ついでにポーランドは、当初は日本並みに暑かったものの、9月に入ると一気に涼しくなりました。R. Kubica(日本だと「クビサ」と表記されることが多いですが、「(ロベルト・)クビツァ」が原音に近い気がします)人気でポーランドでもF1がそれなりにメジャーになっていましたが、これはちょうどA. Malysz(「l」は正しくは「/」が入ります。これも「マリシュ」と表記されますが、「マウィシュ」の方が近いような)がジャンプで活躍し始めたころの雰囲気に似ている気がします。
9月18日−国際政治学のページを開設(西南学院大学内のみ接続可能です)。
10月13日−「ポーランドとEU」のページの文献リストに追加。学部の転・編入試験や大学院の入試などで政治学、ないし国際政治学の採点をする機会があったのですが、政治学を全く勉強していない受験生がほとんどという状況に、正直驚きました。今後各種の試験で政治学を受験科目として選択することを考えている方は、最低限以下のことくらいは知っておいた方がよいかと思います。
○政治学の試験では法学や経済学と同様に、専門領域としての知識や考え方をもとにした答案を作成することが要求されています。勉強もせずに答案を書いても、得点が与えられることはまずありません。試験対策で古典を読めなどとはいいませんが、せめて定評のある教科書を複数通読し、基本的な考え方や概念については答案作成の練習もかねて自分で文章にして整理しておくくらいの準備は、受験前にしておいてください。
○政治学の試験で出題される用語は、一見日常的に使われる言葉のように見えるかもしれませんが、それは必ずといってよいほど専門用語であり、その専門用語に関連する議論などを的確に押さえておく必要があります。例えば政治学の問題として「合意民主主義」と「多数決民主主義」という用語が出題されていたとしたら、それはレイプハルトの議論に基づいて答案を書くことが求められているのだということが即座に判断できなければ、合格水準に達するような答案を書くことは難しいです。
○政治学の試験は、政治に関する評論や個人的な意見、感想を書くものではありません。例えば「グローバリゼーションと福祉国家の関係」について論じることが求められたとしたら、その時は「底辺への競争(race to the bottom)」に関する議論であるとか、あるいは福祉レジームごとに異なるグローバリゼーションへの対応についての議論などを整理することが求められているのであり、「格差社会は問題だ」とか「グローバリゼーションはよくない」といった高校生の小論文レベルの個人的な意見を書いても、全く得点にはなりません。
11月27日−久しぶりに業績リストに追加。先週1週間だけ、ポーランド、および国境周辺のドイツ・チェコを回ってきました。今回は従来通りのコントロールがありましたが、東欧諸国のシェンゲン協定発効に伴い、12月末には当初の予定通りこの地域での国境コントロールは廃止されるようです(当面陸路・海路のみ、空路は2008年3月の予定)。
11月30日−再度業績リストに追加(著者校正の時になかったミスが数カ所あるのが、ちょっと問題ですが)。東欧の福祉関係だと、少し前に書いた英語論文が、今になってぼちぼちと引用されているようです(もっとも"Manabu"の方が著者になっていたり、"Senkoku"と表記されていたりということがよくありますが)。東欧の福祉は最近着目されているだけに、英語でも新しいものを公表するために、鋭意作業中です。ちなみにネットで見られるペーパーでは、以下のようなところで引用されています。
○Burlacu, I, "Welfare state regimes in transition countries: Romania and Moldova compared."
○Fenger, H. J. M., "Welfare regimes in Central and Eastern Europe: incorporating post-communist countries in a welfare regime typology."
○Potucek, Martin, "Transformace socialniho statu ve stredni a vychodni Evrope."(←チェコ語なので中身はわかりませんが)
○Reingardiene, Jolanta, ed., "Between paid and unpaid work: family friendly policies and gender equality in Europe."
○Whitehead, Christine, and Kathleen Scanlon, eds., "Social housing in Europe."
12月1日−地方政治・地域間協力のページにリンクを追加。地域間協力は西部の分を一応成果にしたので、今後は調査の対象を徐々に西南部および南部に移動させていく予定。いずれは東部や北部も、と考えているものの、ビザ要件が厳格なベラルーシとロシア(カリーニングラード)が大きな障害になりそうです。
12月22日−ブックマークの確認、およびエストニア・ラトヴィアと、iTVPへのリンクを追加。昨日をもって2004年にEUに加盟した東欧諸国が正式にシェンゲン協定に加盟し、国境コントロールが廃止されました(空路のみ来年3月末まで継続)。同時に来年10月までにポーランドがイラクから撤収することも公表され、今後ポーランドのヨーロッパ回帰路線がより明確になるものと思われます。なお時期的に、次の更新は来年になります。よいお年をお迎えください。


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